お客様をお連れします。

お客様をお連れします。

マンションの売却を決定した数日後、東急リバブルのK氏から電話があった。

「Kです。売却の告知記事は来週からの掲載になりますが、その前にお客様をお連れしたいのですが、大丈夫ですか」

「えっ、もうですか」と私。

「はい。私のお客様なのですが吉祥寺・三鷹あたりで探しておられまして、お宅の4階のお部屋も内見に行ったらしいですが、もう売れたんですよ。4,900万円だそうです。急で申し訳ありませんが今度の日曜日にお連れしてもよろしいでしょうか」

「今度の日曜日に内見ですか」と妻に目配せして、OKを確認してから「はい、大丈夫です」と返事をした。

さあ、大変だ。27年間住み続けた家。生活感丸出しだし、雑然としていて人に見せられる状態ではない。訪問客があるときは、リビングに溢れる生活感をひとまず寝室に押し込んでやり過ごしてきたが、今回はその手は使えない。片付けは無理なので、清掃だけはしっかりすることにした。ペンダントライトの笠とか、ドアの下や床の隅など普段手を付けないところまでゴミ、埃のないように。妻はキッチン、トイレ、洗面所、風呂場の水回りを綺麗にしている。6階からの景色も見て欲しいので、ベランダも型付けた。

日曜日、Yさんが年長さんと小学生のお嬢さんを連れて4人でやってきた。

一流企業にお勤めのご主人は、現在単身赴任中で、社宅から出てこのあたりで住みたいという。小学校高学年の上のお嬢さんは引っ越ししたくないと言うことだが、下のお嬢さんの小学校入学に合わせて来週から新居に移りたいという希望。

「明るいですねぇ」「眺めいいですねぇ」「天井高いですね」と当方の売りを褒めてもらえて一安心。寝室の壁紙にカビや汚れがあるのは隠さず見てもらう。

翌日の月曜日。東急リバブルの売り物件に我が家が掲載された。綺麗に撮れている外観や、ベランダから見える都心方向の写真も青空で気持ちいい。反応があると良いのだが、まだリアクションは表示されていない。

「Webサイトに掲載されました」という報告と共に東急リバブルのK氏は

「昨日ご案内したYさんですが、前向きに検討したいと言うことです」と嬉しい報告。

「頭金やリフォーム資金もありますし、ローンの設定も問題無さそうですので、来週あたりには決定するかも知れません。正式契約まで1カ月、引き渡しまで3週間くらいといったかんじです」。

ええーっ。決まっちゃうの。嬉しいけど、忙しいな。

俺たちの引っ越し先はどうすりゃいいんだ。

どうなる家探し。

wani爺

wani爺自由人

1954年、信州安曇野生まれ。高校卒業後、大学進学で東京へ。50年間東京で暮らした後、安曇野に帰郷。新たな生活をスタートした。満身創痍、薬漬けの体を労りつつ明るく楽しい日々を生きる。

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